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約束の丘

ワンピースの二次創作ブログです。 SZ中心のZ総受風味なので、苦手な方は注意してくださいませ。

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紅玉の君2

まったり過ごしたいのに何故だかそうもいかない長月ですこんばんは。
半月後には職場で監査があります。それに向けて色々とやらないといけないのです。そう・・・・色々とね・・・(笑)
捏造と言えば聞こえは悪いですが、要は監査官に突っ込まれないように綺麗にゴマカシトコウネ期間中です←
でもきっと程度の差こそあれ、どこでも同じようなことしてると思うんだ~。

そんな世知辛い中、リアルとは真逆方向にまったりペースのSSを続きに隠しておりますよ!
興味のある方は続きからどうぞ~





 コウシロウが十五の年、彼はゾロとは違い一人の文官として宮廷に足を踏み入れた。騎士を選ばなかったことに大きな理由は無い。単に剣を振るうよりも、書類と向き合ったり様々な雑事を片付ける方が性に合っていたと言うだけだ。
 この頃のゼフは王太子の一人に過ぎず、コウシロウが忠誠を誓った相手は今は亡き前国王だった。その為、一方は相手の存在は知っているものの面識は無く、もう一方は相手の存在すら知らなかった。
 互いの面識を得たのはそれから凡そ一年後。年老いた国王が隠居を望み、取り立てた覇権争いも無くゼフが次期国王に立された時だった。
 
前国王には二人の王太子が居り、ゼフは次子である。順当に行けば長子が次期国王となるところなのだろうが、闊達であったゼフに比べ、長子は病気がちで表舞台に出るよりもひっそりと慎ましく暮らしたいと思うような人物だった為、次子にお役が回ってきたのである。とは言え、数多の家臣等の思惑が渦巻いた政権争いさえ起こらずに済んだのは、後継者問題が持ち上がった瞬間に権利を放棄した長子の功績であろう。
あろう、が。
 
「無理無理無理。俺やる気ないし。お前宜しく」
「面倒臭いけど仕方ないから引き受けてやっても良い」
「二人が良いのなら、どちらが後を継いでも全然構わない」
 
 身を引く、と言うよりも弟に押し付けて安穏とした生活に身を投じた兄と、転がってきた玉座を仕方無しに拾う弟。更に自分達で決めたんなら良いんじゃないと見守る父は、それぞれ性格こそ違えど間違いなく血縁であった。
 しかし、矢張り争いが起こらなかったのは良い事だ、と家臣等は思っていたし、コウシロウも同感であった。ゼフは決して愚鈍な人物ではない。前国王へと捧げた忠誠をそのまま次期国王へ向けることはなんの問題もない、と。今まで同様に職務をこなし、王を盛り立てて行けば良い、と。そう信じて疑わなかった。
 
 戴冠式の翌日までは。
 
 
 
当時ゼフは三十代。国民柄に違わず割に器用で、本人曰く「趣味」の料理の腕前はなかなかのものだった。ただ、こと料理に関しては何処までも繊細なくせに、これも本人曰く「興味がない」細工や芸術関係についてはその腕前は全くと言って良いほど発揮されず、政に関しては教育係の目を盗んで王宮の外に遊びに出かける始末。細かい作業や勉強に取り組む位なら剣や槍、馬術と言った武芸に興じるほうが余程気性に合っていると可々と笑う様な性格であった。
 と、述べれば自由奔放な次男坊といった態であるし、実際そうだったのだろう。それでもゼフが時期国王となる時に大きな反発がなかったのは、彼がただ奔放なだけではなかったからに過ぎない。
家臣の目を盗んで外に遊びに出掛けることは多々あっても、人々の暮らしから物資の流通や現在の政策の可否までを見極めてきていたのだ。ただ、見極めた結果を積極的に推進したり改善したりしようとはしなかったけれども。
結果、家臣等の一致した見解は「政には興味が薄いやも知れぬ。けれど暗王にはなるまい」であった。
 そんな評価を下された本人はと言えば、即位当日までは大人しく宮殿に篭っていた。
 自室からもほとんど出ることがなく、時折数人の家臣が出入りをするだけで目立った動きもない。普段のゼフの行動力を知る者達は、流石にこの大事な時期はおとなしくしていてくれるのかとひっそりと安堵の息を吐いたものだったが、その感想は未だ早過ぎたようだった。
 
 とんでもない事件がおきたのは戴冠式直後。誕生したばかりの十二代目国王が「暫く任せる」とだけ言い置いて、突然国を飛び出し行方をくらませたのだ。
 
 前代未聞、国王の家出であった。



++++++++++++++++++++++++++
何やらゼフに愛が偏りすぎて話が進まなかったよ(笑)

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